2025年10月31日 09:00
NVIDIAがエッジAI向け新チップ「Jetson Orin Nano Super」を発表、性能67%向上で産業用IoT市場に本格参入
NVIDIAは2025年10月31日、エッジコンピューティング向けの新型AIプロセッサ「Jetson Orin Nano Super」を発表した。前世代のJetson Orin Nanoと比較して、AI推論性能が67%向上し、消費電力は15W以下に抑えられている。この新チップは、製造業の品質検査、スマートシティの監視カメラ、自動運転車両のリアルタイム判断など、エッジでの高速AI処理が求められる用途に最適化されている。
特筆すべきは、新たに搭載された「Dynamic Power Management 2.0」機能で、負荷に応じて電力消費を動的に調整することで、バッテリー駆動のIoTデバイスでも長時間稼働が可能になった点だ。また、5G通信モジュールとの統合も強化され、リモート監視やクラウド連携がより高速かつ安定的に行える。
NVIDIAのエッジコンピューティング部門担当副社長は、「エッジAIの需要は年率40%で成長しており、2027年までに市場規模は300億ドルに達する見込みです。Jetson Orin Nano Superは、この成長市場において産業界のデジタル変革を加速させる鍵となるでしょう」とコメントしている。
価格は249ドルからで、2025年12月より出荷開始予定。開発者向けキットも同時にリリースされ、TensorFlow、PyTorch、ONNXなど主要なAIフレームワークに対応している。